患者にとっての統合医療のメリット

現代の西洋医学と、伝統医学や代替医療を組み合わせ、両者の良い部分を最大限に活かせるのが統合医療です。患者一人ひとりに最も適した治療を提供できる統合医療には、多くのメリットがあります。
これまで病気の治療といえば、西洋医学でした。西洋医学は、病気の予後改善に大きな効果があります。しかし、現代病といわれる病気に関しては、ストレスや食生活などによるさまざまな要因が重なり合い、西洋医学では簡単には克服できません。そのため、漢方や民間療法に頼る人も多いようです。
元々日本では、昔から病気の治療には和漢薬や、鍼灸が治療の中心でした。古くから受け継がれたものは、精神的な面で信頼を受け、安心感があります。また、自然療法などは、自然のものを使って治療するため、副作用がないのも患者が安心する理由といえるでしょう。

統合医療は、こうした特性を活かし、最良の治療を選択します。また、大きなメリットとして挙げられるのは、患者の意思や気持ちを疎外した医療から、患者に重点を置いた医療になることです。患者の生活の質を上げ、どのように生きるか、そしてどのように死んでゆくのかも含めた、個々の一生を考慮した治療であることがメリットといえます。
ただ、今後の課題も残されています。個々の最良の治療法を選択できる一方で、療法によっては高額な治療費がかかる場合があります。また、治療が自分に合わないこともあるでしょう。さまざまな課題を抱えつつも、今後、統合医療はさらに注目されていくはずです。